ラウンドアバウト
さあ出発です。
オーストラリアは車は左側通行ですから、日本と同じです。だから、その辺は違和感がありません。
カーナビもオプションで付けられましたが、私はポケットWifiとタブレット端末を使いました。これにGoogleマップを表示させて使います。
まず、路肩に車を停めてこれらの準備をします。GPSが現在位置を認識できたらさあ出発です。始めての外国での運転、緊張します。
空港から左に行けばケアンズの街、右に行けば郊外です。始めての運転ですから郊外に行った方が練習になると思ったのですが、
これが大間違いでした。
空港から1号線を右へ曲がります。制限速度の標識がありましたがなんとこれが80km/h、まあ道は広いんですがでも一般道です。そして少し走ると
今度は100km/hの標識! 高速道路と同じです。でも、ここは一般道です。道の周囲には家があるし自転車に乗ったおいさんが走っています。
そんな横を100km/hで走ります。
そして、ついに恐怖のラウンドアバウトが迫ってきます。
で、ここで少しラウンドアバウトの説明をしておきます。
ラウンドアバウト(手間が省くため以降は略してRAと書きます)は右図の様になっています。
オーストラリアは日本と同じ左側通行ですから真ん中の丸い所を時計回りに走ります。
右折の場合でも決して右に行ってはいけません、左向きにRAの中に入ってぐるっと回って右方向の出口まできたら
そこから出ます。
RAの中を走っている車が優先です。だからRAに入る時はRAの中の車の進行を妨害しないように入ります。
日本ではRAが非常に少ないのですが、日本のRAはRAに入る時に一時停止になっているようです。しかし、オーストラリアでは一時停止などしません。
RAの中の車を妨害しなければ止まらずに入ります。
ケアンズ空港にもRAがあるんですが、ここは普通のRAで簡単に通ることができました。RAのルールどおりに走ればなんの問題もありません。
で、1号線を走っているとついにRAが迫ってきました。100Km/hで走っている道路にRAがあるのですからすごいもんです。
ここのRAは右図のようになっていました。
片側2車線でかなりの車が走っています。幹線道路です。
RAに近づくと制限速度が60km/hに変わりました。でも、それでも60km/hです。
当然RAなんだから止まっらなくちゃと思って減速すると後ろの車が激しくクラクションを鳴らします。
その後ろも、数台の車からクラクションを鳴らされました。まわりを見るとまわりの車は止まったりしていません。そのままRAを走り抜けて行きます。
もう、訳がわかりません。なぜ、RAなのに止まらないのか! 止まらないと危なくないのか?
しばらく走ると次のRAが迫ってきます。怖いからどうしても減速するのですが、そうすると後ろの車が激しくクラクションを鳴らします。
そして誰も止まりません。そのまま60km/hでRAを走り抜けて行きます。
ここは特殊なRAなのか、ルールが違うのか? 確かにRAと言うより2車線の道路がちっと曲がっているだけ、みたいな形をしています。
ここはRAじゃないのか……
結局頭を冷やすため脇道に入って悩みました。RAのルールが違うのか、しかし勘違いしたまま走るのは危険すぎます。
そこで、次のRAで左に曲がりRAから100mくらいの所に車を止めてRAへ歩いて行きました。そこでRAをどんな風に走っているのか観察しました。
幹線道路なのでほとんどの車がまっすぐ走り抜けて行きます。でも、時々、脇道に曲がる車があります。
なんとRAを回ってくる車があると直進側が止まっています。止まるというよりRA内の車が優先でその車をやり過ごすように減速して
その車の後ろを走り抜けます。やはりRA内が優先なのです。あの速度で走っていながらちゃんとルールを守っているのです。
万が一にも間違っていてはいけないので、何度も何度も確認しました。全部の車が同じように走っています。
RAを右折する時はあんな風にするのだとわかりました。
実はどうしてもRAを右折しなければならないのです。今、ケアンズから離れる方向に走っています。
ケアンズに戻るにはUターンしなければなりませんがこの道路には信号などありませんからRAでUターンしなければならないのです。
そのため一旦右折して、それから左折で入ればケアンズに戻れます。そのため、絶対に右折のルールが間違っていたら危ないのです。
そこのRAを左折で入ると再び走り始めました。しばらく走ってみます。また、RAが迫ってきます。今度はあまり減速しません。
そしてRA内を必死で見ます。RAを回って来る車がないかを確認するのです。なるほど、この速度で右を見ていると前の車をほとんど確認できません。
さっき後ろの車がクラクションを鳴らした訳がわかりました。みんな流れに乗って走っているので無意味に減速する車があると危険なのです。
さあ、いよいよ次のRAで右折します。まず右車線に車線変更します。2車線あるのでRA内をそのまま回るには右車線にいなければなりません。
RAに入る時に右の合図を上げます。自分がこのままRAを回り続ける事を対向車に知らせなければなりません。
そしてついに直進の白線から外れてRAを回り始めます。怖いです。対向車が2車線で60km/hで走って来る車列の中に
右折でそのまま突っ込んで行くような感じです。これが日本なら自殺行為です。
しかし、なんと対向車が減速しているのがわかります。すぐに左の合図を上げて自分がこのまままっすぐ脇道の方へ抜けていく事を知らせます。
そして対向車の鼻ズラをすり抜けます。躊躇はできません。対向車もこちらの車の後ろをすり抜けるつもりで走っていますから、
躊躇してブレーキを踏んだら対向車とぶつかってしまいます。
そしてついに脇道へ抜けました。怖い、怖い、すごいです。よくこんな運転をしてるもんだと思います。
しかし、慣れてくると問題なく走れるようになりました。確かにRAってよく出来ています。これでけの交通量なのに
信号なしで交差点を作れるのですから合理的です。
もし、ここを信号なしの日本式の交差点にしたら脇道からの直進や右折はまず無理だと思います。
左折でさえ右から来る車が切れるのをかなり待たなければなりません。直進や右折は両方向が同時に切れなければなりませんからまず無理です。
日本だったら信号を作らざるを得ませんがRAなら信号なしてほとんど減速せずに走れます。非常に合理的です。
たたし日本のようにRAに入る時に一旦停車にしたら意味がなくなるでしょう。
ケアンズでラウンドアバウトを走ってみた動画です。
こんな感じです。
なお、これはお昼ごろで道が空いていますが、最初に走った時は8時ごろの通勤時間帯だったので
これよりはるかに車がたくさんでした。
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